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【5分で書評レビュー】メモの魔力を読んだ感想と要約|前田裕二

書評
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今回は、前田裕二さんが書いて大ヒットした「メモの魔力」の書評をお届けします。

メモの魔力を一言でご紹介すると、普段何気なくとっているメモですが、『メモの魔力』を読むと、メモに対しての認識が変わり、メモが人生を豊かにすることを実感します。
読了後は、必ずメモをとりたくてたまらなくなっている、そんな素晴らしい本です。

メモの魔力はこんな方にオススメ

メモの魔力はこんな方にオスス

 

  • 自分の中の「価値観」や「やりたいこと」を発見したい人
  • 就職活動、転職活動をする上で自分の軸を発見したい人
  • 思考力を鍛え、ビジネスに役立てたい人

※性別、年代、職業は問いませんが、特に20代から30代のビジネスパーソンが読むと役に立ちます。

メモの魔力の概要

出版日ページ数読了に必要な時間数
2018年12月25日252ページ(自己分析1000問付き)約2時間

メモの魔力の簡単紹介

メモの魔力の簡単紹介
本書では、メモを単なる媒体としてだけではなく、「知的生産のためのメモ」というもう1つのメモの役割について紹介しています。知的生産を向上させるために、「ファクト(事実)→抽象化→転用」というプロセスを通してメモをとることで、物事を本質的に考える力がつき、アイデアが生まれます。
本書のメモを実践すれば、「人生の価値観」や「やりたいこと」がきっと見つかるでしょう。

「人生の価値観」や「やりたいこと」がきっと見つかる

メモの魔力の著者プロフィール

SHOWROOM株式会社代表取締役社長:前田裕二(まえだゆうじ)
1987年東京生まれ、2010年に早稲田大学政治経済学部を卒業後、外資系投資銀行に入行。
2011年からニューヨークに移り、北米の機関投資家を対象とするエクイティセールス業務に従事。2013年、DeNAに入社し、仮想ライブ空間「SHOWROOM」を立ち上げ。2015年に当該事業をスピンオフして、SHOWROOM株式会社を設立。

メモの魔力の書籍目次

メモの魔力目次
序 章 「メモの魔力」を持てば世界に敵はいない
第一章 メモで日常をアイデアに変える
第二章 メモで思考を深める
第三章 メモで自分を知る
第四章 メモで夢をかなえる
第五章 メモは生き方である
終 章 ペンをとれ。メモをしろ。そして人生を、世界を変えよう

メモの魔力の書評

メモには2種類の役割がある

メモには2種類の役割がある

本書では、メモには2種類の役割があると述べられています。

①記憶のためのメモ
②知的生産のためのメモ

「記録のためのメモ」とは、見聞きした情報や事実を保存しておくためにメモをとることです。
例えば、お母さんが子どもにお使いを頼んだ際、子どもが買うものを忘れないようにメモして買い物リストを渡します。これが、「記録のためのメモ」です。

知的生産のためのメモ
一方、「知的生産のためのメモ」とは、単純に起きたことや見聞きしたことだけを書き写すのではなく、新しいアイデアや付加価値を自ら生み出すことを強く意識してメモをとることです。
本書では、この「知的生産のためのメモ」について、深く掘り下げています。

知的生産性を向上させるメモの取り方

実際にどのように知的生産性を向上させるためにメモを取るのかをご紹介します。
前田式メモの取り方では、「ファクト(事実)→抽象化→転用」というフレームワークを使います。

ファクト(事実)抽象化転用
実際に見聞きした情報や事柄具体的な事実から他の分野に応用できる法則を発見する抽象化した法則を具体的なアクションにまで落とし込む

幼い頃に両親を亡くした著者の前田さんは、生計を立てる1つの手段として、小学生の頃から駅前でギターの弾き語りをしていました。「ファクト(事実)→抽象化→転用」というフレームワークにその時の経験をあてはめ、前田さんが立ち上げたSHOWROOMというビジネスは生まれました。

【ファクト(事実)】
・カバー曲を歌うと、オリジナル曲のときよりも立ち止まってもらえる。
・立ち止まってもらった人のリクエストに応えると、ぐっと仲良くなる。
・そうして仲良くなったあとにオリジナル曲を歌うと、もっとお金がもらえる。

【抽象化】
・仲良くなるには、双方向性が大事。
・人は「うまい歌」ではなく、「絆」にお金を払う。

【転用】
・双方向性があり、絆が生まれる仕組みをネット上に作る。
※それによって、アーティストが自分の力で(リアルよりも効率的に)ファンを増やし、お金を稼ぐことができるようになる。

※引用:『メモの魔力』(第一章 メモで日常をアイデアに変える)

SHOWROOMが誕生

このアイデアの創出により、iOS端末やAndroid端末、PCからライブ配信および視聴を行えるストリーミングサービス「SHOWROOM」が誕生しました。

また抽象化は、慣れないうちは特に時間がかかる作業です。
本書でも紹介がありましたが、「人間は考える葦である」という名言を残した哲学者パスカルは友人宛の手紙で次のように書いています。

今日は時間がなくて、手紙が長くなってしまいました by パスカル

私はこの一文を見た時に、「時間がないので手紙の文は短くなるのではないか?」と疑問に感じました。
しかし、時間がなくて十分な抽象化ができなかったため、手紙が回りくどくなってしまい、本質から遠ざかって長くなってしまったという意味でした。

少し話は脱線しますが、アインシュタインが提唱した特殊相対性理論の「世界で最も美しく最も恐ろしいと言われる方程式」に関しても、複雑な計算式を経て、最終的には「E=mc2(スクウェアード)」という非常にシンプルなものになりました。

このように物事は時間をかけて考えれば、すべてはシンプルな言葉、すなわち抽象概念に落とし込めるのです。

※具体的な抽象化の方法については、「What型やWhy型、How型から考える」という方法が紹介されていますので、ぜひ本書をご覧ください。

そして、「抽象化→転用」によって、さらに具体的なアクションにまで落とし込むことで、自分が「やりたいこと」まで思考することができます。

「ファクト(事実)→抽象化→転用」、この思考のプロセスに従ってメモをとることで、物事を本質的に考える力がつき、アイデアが生まれていくのです。

メモで自分を知る

「自分は何がやりたいのか」
「自分にはどのような価値観があるのか」

このような問いに答えられる人は、どのぐらいの人がいますでしょうか。

あらゆる角度から自分のちょっとした意識を抽象化して、自分を深く知り続けるために、著者の前田さんは自己分析することを勧めています。

前田さん自身、自分で考えた1000の質問に対して、「ファクト(事実)→抽象化→転用」を繰り返し、自己分析を行っています。

実際、1000の質問に対して、「ファクト(事実)→抽象化→転用」の思考で自己分析を行うと、かなりの時間がかかります。
しかし、自分と真剣に向き合う時間を作ることで、今まで意識していなかった「価値観」や「やりたかったこと」が発見できるのではないでしょうか。

自己分析って中々しっかりとできておらず、就活時期によく自己分析をしなさいと言われたかと思います。

自己分析をすることで色々なことが見えてくるので、是非本書の巻末に付録されている【自己分析1000問】を実施してみください。

メモの魔力の書評まとめ

メモの魔力の書評まとめ
私は、メモの魔力と出会い、「自分の心と真剣に向き合っていない」ことに気づかされました。
映画やドラマ、アニメを見た時に感じた感動。
ラーメン屋に入った時に感じた雰囲気の良さ。
「なぜ感動したのか」「なぜ雰囲気がいいと感じたのか」。

このような感情に深く思考することなく、自分の心が動いた瞬間を「素通り」していました。今ではすっかり「メモの虜」になり、少しでも何か感じたことがあれば、「事実(ファクト)→抽象化→転用」のプロセスを通してメモをとることが習慣になりました。
「人生の軸が発見できる」「物事を本質的に考え、アイデアが生まれる」といった体験をしたければ、ぜひ『メモの魔力』の世界に入ってみてください。

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