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1分で話せの要約と感想|伊藤羊一の書評

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伊藤羊一さんの著書である1分で話せの要約まとめと個人的な感想をお伝えしていきます。ずばり1分で話せを一言で表すと「話し方の極意を学ぶことができます」です。

多くの人はとにかく今目の前の仕事をこなすことで精一杯でやりたいことを本気でできている人は少数ではないでしょうか。

生きるためにとりあえず稼ぐ必要があり、やりたいことをして生きていくことは一握りの人で、自分はごく平凡な生活をして一生を過ごすというふうに考えています。

しかし人生は一度きりしかないものですし、自分のやりたいことをした方が人生に悔いがありません。またやりたいこと自体がない方も多くいますが、この本を見て実践をすることで本当に自分のやりたいことが見つかるでしょう。

 

1分で話せはこんな方にオススメ

  • 「上司への報告が苦手なビジネスパーソン」
  • 「説明がよく分からないと言われる人」
  • 「相手に物事を分かりやすく伝えたい人」

1分で話せの概要

出版日ページ数読了に必要な時間数
2018年320239ページ2時間半

1分で話せの要約

1分で話せを読むことで、分かりやすく論理的に話を伝えるテクニックを学ぶことができます。「上司への報告が苦手な人」「プレゼンが苦手な人」など、特にビジネスパーソンにとっては、悩みを解決してくれる1冊になるでしょう。

1分で話せの著者プロフィール

伊藤羊一(いとう よういち):ヤフー株式会社コーポレートエバンジェリストYahoo!アカデミア学長。
株式会社ウェイウェイ代表取締役。東京大学経済学部卒。グロービス・オリジナル・MBAプログラム(GDBA)修了。
1990年日本興業銀行入行、企業金融、事業再生支援などに従事。2003年プラス株式会社に転じ、事業部門であるジョインテックスカンパニーにてロジスティクス再編、事業再編などを担当した後、2011年より執行役員マーケティング本部長、2012年より同ヴァイスプレジデントとして事業全般を統括。2015年4月にヤフー株式会社に転じ、次世代リーダー育成を行う。
グロービス経営大学院客員教授としてリーダーシップ科目の教壇に立つほか、多くの大手企業やスタートアップ育成プログラムでメンター、アドバイザーを務める。

1分で話せの書籍目次

  1. そもそも「伝える」ために考えておくべきこと
  2. 「伝える」ための基本事項
  3. 1分で伝える
  4. 相手を迷子にさせないために「スッキリ・カンタン」でいこう
  5. 1分でその気になってもらう
  6. 1分で動いてもらう
  7. 「伝え方」のパターンを知っておこう
  8. 実践編

話のゴールを決める


「話を簡潔に伝えることができない」
「報告・連絡・相談が苦手だ」

このように、話すことに対して苦手意識を持っている人は多いのではないでしょうか。特に会社員であれば、上司への報告1つにしても、なかなか尻込みしてしまうものです。

上司に報告するにせよ、プレゼンするにせよ、相手に話をする時、私たちは次のように「ゴールを決めること」を意識しなければなりません。

・聞き手が賛成にせよ反対にせよ、何らかの意見を表明してくれればいいのか
・聞き手が賛成してくれたらいいのか
・聞き手に動いてもらう必要があるのか

※引用:第1章「伝える」ための基本事項

以前までの私は、この「ゴールを決めること」について全く意識できていませんでした。

例えば、取引先のA社からの電話で、○○さんに取り次いでほしいとの連絡があった際、○○さんがその場にいない場合があります。

私は取引先のA社に対して、「○○に折り返しのお電話をするようお伝えします」と伝えて電話を切りました。そして、○○さんが職場に戻ってくると、私は次のように伝えたのです。

「○○さん、取引先のA社から連絡がありました。」

○○さんは、ポカーンとした表情を浮かべていました。

本当は「○○さんに、取引先のA社に折り返しの電話をしてほしい」というゴールがあったのにもかかわらず、事実だけを述べてしまい、結果的に○○さんを困らせてしまったのです。

このように話のゴールを決めずに、ただ事実を伝えるだけでは、「あなたは結局何が言いたいの?」と思われてしまうでしょう。

相手は話を聞く際、自分がどうしたらいいのかが知りたいのです。

プレゼンや報告をする時は、「理解してもらうこと」がゴールではなく、「相手にどう動いてほしいか」まで伝えることをゴールにしましょう。

1分で伝えるテクニック

本書では、相手に簡潔に伝えるテクニックとして、次のポイントを紹介しています。

・主張(結論+根拠)で論理的に話す
・がんばったことは話さない

※引用:第2章 1分で伝える

・「主張(結論)+根拠で論理的に話す」

相手に話を理解してもらうには、論理的に話す必要があります。論理的に話すといえば、難しく感じるかもしれません。しかし、「主張(結論)+根拠」という枠に当てはめて話せば、誰でも論理的に話すことが可能です。

例えば上司にプランを提案する場合は、「Aプランでいきましょう。理由は○○だからです」とこのように「主張(結論)→根拠」の順で話せば、簡単かつ論理的に伝えることができます。

一方で、「主張(結論)+根拠」の根拠、つまり事実だけを伝えてしまう人もいます。

例えば上司にA商品とB商品、どちらの商品に力を入れたほうがいいかと聞かれたとします。

事実だけ伝えてしまう人は、「A商品の場合、見た目はいまいちですが操作がしやすいです。一方B商品の場合、操作は難しいですが見た目が洗練されています」とただ事実を伝えるだけで、上司からすると「それで?」と思われてしまいます。

しかし主張を加えると、「A商品のほうがいいと思います。理由は、我が社の商品をご利用いただいている多くはご高齢の方々で、A商品の方がご高齢の方々に使ってもらいやすい商品となっているからです」とこのように、ただ事実を伝えるだけではなく、自分の主張を最初に伝えることで、上司に納得してもらえる話し方ができるのです。

・「がんばったことは話さない」

特にビジネスにおける報告・連絡・相談では、前置きが長いと上司や同僚から嫌がられます。私は、上司から頼まれた仕事の進捗状況を次のように報告していました。

「色々とデータを集めているのですが、なかなか信憑性があるデータがなくて・・・。今は他部署の方にお願いして情報集取をしているところです。なんとか締め切りまでには終わることができそうです」

恥ずかしながら、以前の私はこのような長々とした報告を上司にしていたのです。上司からすれば、仕事が締め切りまでに終わるかどうかが知りたいだけで、プロセスや部下ががんばったことを聞いてもどうでもいいことなのです。

特にビジネスにおける報告は、がんばったことやプロセスは話さず、結論ファーストを心掛けて話しましょう。

人はロジックではなく、感情で動く

論理的に分かりやすく伝えることで、話を理解してもらうことはできます。しかし、それだけでは人を動かすことができません。なぜなら人はロジックではなく、感情で動く生き物だからです。ではどうすれば感情を動かし、行動に移してもらうことができるのでしょうか。

本書では、感情が動く原理として次のとおりに述べています。

人はイメージを想像することで、感情が揺さぶられる

※引用:第4章 1分でその気になってもらう

例えば、ダイエットサプリを売るとします。

論理的に話をすると、「あなたにはこのダイエットサプリがオススメです。なぜなら、このサプリは、腸内環境を整え、脂肪を燃焼させる効果があるからです」となります。

一方イメージを想像させるように話をすると、「あなたにはこのダイエットサプリがオススメです。

なぜならこのサプリは、腸内環境を整え、脂肪を燃焼させる効果があるからです。そして、想像してみてください。痩せた後の人生を。今まで太っていることにコンプレックスを感じ、なんとなく自信を持つことができなかった。しかし、痩せれば堂々と海水浴に行くことができ、オシャレな服も着ることができます。自信に満ち溢れた人生を手に入れてみませんか?」

このように、より具体的に自分がどうなるかのイメージを想像させることで、感情を動かすことができるのです。

私も同じような経験をしたことがあります。以前、通信会社の営業の方が自宅に訪問してきたことがあります。そしてインターネットの月々にかかる料金を比較され、乗り換えることで安くなると説明を受けました。

私は乗り換えることが面倒で断ろうと考えていた時、営業の方は次のように話したのです。

「毎月2000円、1年で24000円浮けば、できることがたくさんありますね」

そう話された私は、プチ旅行に行ったり、欲しいものを買ったりすることを想像し、非常にお得な気持ちになりました。

 

そのたった一言で感情が動かされ、営業に来た通信会社と契約することになったのです。
このように人はロジックではなく、感情で動く生き物です。

もちろん論理的な話が土台にあってこそ、人は理解し納得します。

人にお願いする時やプレゼンの機会がある時は、相手に分かりやすく伝え、感情を動かす話し方を意識してみてはいかがでしょうか。

1分で話せの書評まとめ


本書を読み終え、自分がどれだけ相手の立場を考えず、言いたいことだけ伝えていたかを思い知らされました。
上司に「話がまとまっていない」とよく言われていましたが、本書のノウハウを実践することで、「簡潔に報告ができるようになった」と褒められるようにもなりました。
今ではあれだけストレスを感じていた上司への報告がスムーズにできるようになり、苦手意識がなくなっています。

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