草薙龍瞬さんの著書である反応しない練習の要約まとめと個人的な感想をお伝えしていきます。反応しない練習を一言で表すと「悩みの正体は「心の反応」ということを理解できる」です。
人は生きていく上で色々な感情が生まれてきます。怒りが突発的に出てくることは日常茶飯事ですが、その怒りを出さないためにも反応しない練習が必要です。
楽しい人生にしていくためにも、自分の感情をコントロールする必要がありますし、前向きに考える必要があります。
反応しない練習はこんな方にオススメ
- 自分の悩みをなくしたい人
- 様々な物事に気を取られてしまう人
反応しない練習の概要
出版日 | ページ数 | 読了に必要な時間数 |
---|---|---|
2015年7月27日 | 222ページ | 2時間半 |
反応しない練習の要約
本書では、ブッダの教えを引用し、悩みの正体や悩みの解決法を紹介しています。
本書を読めば、人間関係のトラブルや悩みに対する対処法が分かり、今後の人生を歩んでいく上で心が軽くなっていくでしょう。
反応しない練習の著者プロフィール
1996年、奈良県生まれ。中学中退後、16歳で家出・上京。
放浪ののち、大検(高認)を経て東大法学部卒業。
政策シンクタンクなどで働きながら「生き方」を探求しつづけ、インド仏教指導僧・佐々井秀嶺師のもとで得度出家。
ミャンマー国立仏教大学、タイの僧院に留学。インドで仏教徒とともに社会改善NGOと幼稚園を運営するほか、日本では宗派に属さず、実用的な仏教の「本質」を、仕事や人間関係、生き方全般にわたって伝える活動をしている。
反応しない練習の書籍目次
- 反応する前に「まず、理解する」
- 良し悪しを「判断」しない
- マイナスの感情で「損しない」
- 他人の目から「自由になる」
- 「正しく」競争する
- 考える「基準」を持つ
人はなぜ悩むのか〜悩みの正体〜
「職場の上司や同僚とうまくいかない」
「試験のことを考えると夜も眠れなくなる」
「自分には理解できない行動をしている人を見るとイライラする」
このように普段生きていく上で、人は悩んでしまうものですが、みなさんは悩みの正体を考えたことがありますか?
本書では、悩みの正体を次のように言及しています。
人はなぜ、悩み、執着を手放せないのか。なぜ日頃、さまざまな問題を抱えてしまうのか。
そうした悩ましい現実を作り出しているのは、「心の反応」であることが、明らかになってくるのです。※引用:第1章 反応する前に「まず、理解する」
私たちは普段の生活の中で、この「心の反応」をしています。
例えば、大好きな人と別れて悲しんだり、飲食店で注文を間違えた店員にイラッとしたりと、心が反応してしまっているのです。そして、心が反応した結果、トラブルや悩みが生まれてしまいます。
私は「心の反応」が悩みの正体と知り、非常に腑に落ちました。
以前まで私は、満員電車で通勤をしていました。
毎日満員電車に乗っているはずですが、何も思わない日があったり、なぜかイライラしたりする日がありました。
これも心が反応している時は、イライラし、反応していない時は、何も感じないというシンプルなことだったのです。
つまり、私たちの悩みは、「満員電車」や「大好きな人との別れ」、「店員が注文を間違えたこと」といった出来事から生まれるものではなく、私たち自身の心の内側、心の反応によって生まれているのです。
無駄な心の反応をしないためには
では、どうすれば無駄な心の反応をなくすことができるのでしょうか?
無駄な心の反応では、「反応を作り出している真の理由」にまで、さかのぼって考えることの重要性を説いています。
ブッダが発見した「求める心」タンハーとは、いわば「反応しつづける心のエネルギー」のこと。人の心の底に、生きている間ずっと流れている意識のことです。
「求める心」は発生後「七つの欲求」に枝分かれします。
- 生存欲(生きたい)
- 睡眠欲(眠りたい)
- 食欲(食べたい)
- 性欲(交わりたい)
- 怠惰欲(ラクをしたい)
- 感楽欲(音やビジュアルなど感覚の快楽を味わいたい)
- 承認欲(認められたい)
まず求める心があり、それが七つの欲求を生み出し、その欲求に突き動かされて人は反応する。
ときには欲求を満たす喜びが、ときには欲求がかなわない不満が生まれる。
※引用:第1章 反応する前に「まず、理解する」
私たちが無駄な反応をしないためには、自分が満たされていない欲求が何なのかを自覚し、心とは常に満たされない欲求を求め続けるものと理解することが重要です。
つまりブッダから言わせると、満たされない欲求にいちいち反応してもしょうがないし、心のメカニズムを理解することで、無駄な心の反応をしなくなるというのです。
私が満員電車で通勤し、イライラしていた本当の理由まで考えてみると、満員電車にイライラしているというよりも、その時の睡眠不足が影響していることが分かりました。
その日以来、睡眠をできるだけとるようにし、睡眠がとれずに満員電車にイライラしてしまったとしても、睡眠が足りないから仕方がないと無駄な心の反応をしなくなったのです。
このように反応せずに、まずは自分の心を理解することが悩みの解決方法です。
本書では、この自分の心を理解する方法として、いくつか紹介していますが、1番のオススメの方法は次のとおりです。
ココロの状態を言葉で確認する
※引用:第1章 反応する前に「まず、理解する」
例えば、満員電車でイライラしていたとしたら、「あ、今自分イライラしているな」と確認します。
試験当日に緊張していれば、「あ、今の自分は緊張している」と確認する。
このように心の状態を言葉で確認することで、心が落ち着いていくのが分かります。私自身、心の状態を言葉で確認する習慣がつきました。
「イライラする」「悲しい」などの感情だけではなく、掃除をしている時は「今掃除をしている」、お風呂に入っている時は「今お風呂に入っている」など、日常の動作についても言葉で確認するようにしました。
実際に試してみると分かりますが、言葉で確認することで、心が安定し「反応から抜け出せている」といった感覚になります。
無駄な心の反応をしないためにも、今の自分の状態を言葉で確認する習慣をつけてはみませんか?
無駄な「判断」は悩みの原因になる
人が悩んでしまう理由の1つは、「判断しすぎてしまう心」にあります。
普段の生活の中で、私たちは様々なことを判断しています。
例えば、「あの人は良い人悪い人」、「自分は頭が良い悪い」など、良し悪しや好き嫌いは判断になります。
こうした判断は、不満や不安など、たくさんの悩みを作り出します。
そもそもなぜ人は判断をするのでしょうか。本書では、次のように述べています。
①判断すること自体が「気持ちよい」
②「判断することで認められた気分になれる」※引用:第2章 良し悪しを「判断」しない
①判断すること自体が「気持ちよい」
良し悪しや、正しいや間違っているといった判断は、自分がわかった気になれて気持ちいいものです。
②「判断することで認められた気分になれる」
例えば、会社の上司の愚痴を友人に話したとします。
その愚痴を友人に共感してもらうことで、「やっぱり自分は間違っていなかった」と承認欲を満たせるのです。
このように判断すると一見すると気持ちがよいものですが、無駄な判断は以下の2つのデメリットが多いです。
①判断により無駄な心の反応をしてしまう
②可能性を狭めてしまう
①判断により無駄な心の反応をしてしまう
例えば、「あの人は悪い人だ」と判断してしまうと、怒りや劣等感など、心が反応してしまいます。
心が反応してしまうことで、悩みやストレスが生まれてしまいます。
②可能性を狭めてしまう
判断することで、無意識のうちに情報や行動を制限してしまいます。
例えば、「SNSは教育に良くない」と判断してしまうと、情報をすばやくキャッチできたり、最近のトレンドが分かったりするなど、SNSのメリットを逃してしまうでしょう。
結果的に自分の可能性を狭めてしまい、自分を苦しめてしまうのです。
では、どうすれば無駄な判断を避けることができるのでしょうか。本書では、次のように言及してしまいます。
「自分は正しい」という考えから離れてみる
※引用:第2章 良し悪しを「判断」しない
ブッダの教えでは、「自分は正しい」と判断してしまった時点で、その判断は「間違ったもの」になります。
自分では正しいと思っていることが、相手にとっては間違っていることもありますし、逆もしかりです。考えてみれば当たり前のことです。
住んでいる場所も違えば、育った環境も違う。価値観も違うはずです。
そのような中、自分の考えが正しいと判断するのは、傲慢なことではないでしょうか。
自分が正しいという考えから離れ、無駄な判断を避けましょう。
無駄な判断を避けることは、無駄な心の反応をせずに済むようになり、ひいては、悩みが消えていくのです。
反応しない練習の要約と感想のまとめ
本書を読み終え、悩みの正体が「心の反応」であるということを知り、まさに目から鱗でした。
無駄に心の反応をしないことを意識してからは、あらゆる悩みやトラブルに対して、落ち着いて対処できるようになりました。
本書を読むことで、心が軽くなるという実感を味わうことができるでしょう。
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